2002年06月29日


韓国 2-3 トルコ

ゴール KOR 13 イ・ウルヨン(9')  22 ソン・ジョングク(93')
    TUR 9 ハカンシュキュル(1') 17 イルハン・マンスズ(13') 17 イルハン・マンスズ(32')

韓国・テグで行われた3位決定戦で、トルコは大会史上最も早い先制点を上げ、2-3で韓国を打ち下した。ハカン・シュキュルがキックオフ後11秒という驚異的な早さで先制点を決めた後、イルハン・マンスズが2ゴールを上げた。

韓国は最後まで勇敢に闘い、前半9分にイ・ウルヨンが見事なフリー・キックを決めた後、後半のロスタイムにソン・ジョングクが追加点を上げた。これまでさまざまなドラマを生みつづけてきた韓国だが、最後は奇跡的な展開を見せることはなかった。一方のトルコは素晴らしい快進撃の歩みを止めることなく、第3位のタイトルを獲得した。3位決定戦と前回の試合と2試合連続して黒星を喫したフース・ヒディンク監督だが、奇しくも1998年フランス大会時、オランダは同じ結果を残している。

まさに試合開始すぐ、ペナルティー・エリアの端でのホン・ミョンボのトラップ・ミスを契機に、ハカンシュキュルが本大会初ゴール。これまで不振を続けていたストライカーの素早いタッチにより、ボールはゴールネットに吸い込まれた―FIFAワールドカップ本大会の歴史上最速のゴールであった(1:0、1分)。

エムレベロゾールがチャンスを逃したあと(7分)、韓国も果敢に反撃。共催国は芸術的なゴールでゲームを振りだしに戻す。ゴール前25ヤード付近から、イ・ウルヨンが左足でカーブをかけたフリーキックのボールは、素晴らしい軌道を描き、ルスチュ・レクベルが守るゴールのポストをかすめて、ゴールネットに突き刺さった(1:1、9分)。

数分後も、韓国に惜しいチャンス。ペナルティー・エリアの外からのイ・チュンソのシュートは、ルスチュが辛うじてセーブ(12分)。

あっという間の速攻から、トルコがリードを奪う。イアルディライ・バストゥルク、イルハン・マンスズ、ハカンシュキュルの見事な連携から、マンスズがあっさりとボールをゴールに流し込む(1:2、14分)。

ゴール前での幻惑的なボールコントロールにより、アン・ジョンハンがもう少しでルスチュを翻弄するところであったが、ゴールデン・ボーイのゴール上隅への素早いシュートにキーパーはなんとか身を挺してセーブ(21分)。

その数分後にも、長髪のキーパーは鋭い反応で前に飛びだし、絶好のスルーパスを受けたアン・ジョンハンのシュートをブロック(26分)。

見事なスピードを見せるトルコが、前半が終了する前にさらにリードを広げる。マンスズとシュキュルの息もつかせぬパス回しから、イ・ウンジュをあざ笑うかのように頭上を抜いたチップ・シュートが韓国のゴールネットを揺らし、マンスズがこの試合2点目(1:3、32分)。

エムレのコーナーキックにシュキュルが高く飛び上がり、ヘディングで叩きつけたボールは韓国ゴールに突き刺さり、トルコが追加点をあげたように見えたが、これはイがなんとかピンチを逃れる(37分)。

後半の立ち上がり、トルコにリードされた分を取り返そうと、韓国はスピーディーに、そして激しく攻撃を仕掛けた。ソン・ジョングクが中央に切り込み、鮮やかなシュートを放ったときには、攻勢が実を結び1点を返したように見えたが、ボールはトルコ・ゴールのクロスバーをわずかに越える(52分)。さらに、イ・ウルヨンが素晴らしいフットワークを見せ、ペナルティー・エリアのやや外からシュートを放つが、ルスチュが辛うじてセーブ(54分)。

オザランとルスチュが衝突するという、トルコ守備陣の乱れに韓国がつけ込もうとするが、跳ね返ったルーズボールを奪うことができない(64分)。

トルコの気迫も衰えることはなく、さらにリードを奪おうという意識が高くなり、ディフェンスへの注意が若干おろそかになる。オフサイドをアピールするトルコ守備陣を意に介せず放ったチャ・ドゥリのヘッディングは、アジアのチームが1点を返す絶好のチャンスであったが、結局ボールをうまくミートすることができず、失敗(70分)。

最後の15分になっても、タフで、気迫に満ちたトルコとの得点差を縮めるため、韓国は果敢に攻めかかる。アン・ジョンハンのヒールキックのパスがペナルティー・エリア内のイ・チュンソが渡ったときには、待望の得点が入ったように見えた。しかし、シュートにルスチュが素早く反応して、ピンチを凌ぎ、韓国中を失望させる(79分)。

今度は、アン・ジョンハンが韓国にとっての絶好の場面を作りだす。しかし、シュートは、わずかにトルコ・ゴールの横(83分)。数分後には、チャ・ドゥリがほとんど国全体を熱狂させるが、これもルスチュが素晴らしい反応の速さを見せ、腰を落としてシュートをキャッチ(84分)。

終了間際、韓国が1点を返す。ソン・ジョングクのシュートはチャ・ドゥリの背中に当たって跳ね返り、遂にルスチュの意表をついてゴール(2:3、93分)。しかしまもなくして終了のホイッスルが鳴った。


2002年06月21日


ドイツ 1-0 韓国

ゴール GER 13 ミヒャエル・バラック(75')

ドイツ中盤のリーダー、ミヒャエル・バラックの得点によって韓国の夢が潰え、ドイツが最近8大会で5回目の決勝進出を果たした。ソウルワールドカップ競技場で最低点差の勝利を収めたドイツは、決勝戦でブラジル対トルコ戦の勝者とタイトルマッチを行うことになり、勇気あるプレーで世界を驚かした韓国は3位決定戦にまわった。

オフェンスには決定打を欠いたとはいえ、ドイツは終始組織的なサッカーを展開し粘る韓国の攻撃を焦らず跳ね返した。両チームが非常に堅いディフェンスを演じほとんど隙を見せなかったが、フース・ヒディンク監督率いる韓国が一度だけチャンスを与えると優勝経験3回のドイツがそれを見逃さなかった。

ホーム・チームのサポーターの狂騒のなか、ドイツが序盤にチャンスを得る。右サイドでロングスローのボールを受けたカルステン・ラメローがドリブルで突破し、左足に切り返して低く強烈なシュートを放ったが、ボールはイ・ウンジュの正面(2分)。

韓国も直ちに反撃。チャ・ドゥリが右サイドを抜け出し、マイナスの低いパスをイ・チュンソに供給。イのシュートは見事にボールにミートしたが、オリバー・カーンが、精一杯右に飛んで、ファインセーブ(8分)。

さらに韓国はスピードに乗った攻撃を見せるが、ゴール前15ヤードの絶好の位置から放ったパク・チソンのシュートは、カーンが難なく処理。しかし、ドイツも序盤の勢いは衰えておらず、積極的に韓国と攻め合う。ゴール前20ヤードからベルント・シュナイダーの鮮やかなボレーは、イ・ウンジュの守備範囲内(17分)。

ドイツの調子が最高レベルまで上がり始め、前半で最高の攻撃が見られる。オリバー・ノイビルがゴールに向かってドリブル突破し、決定的な場面を作りだすが、バイヤー・レバークーゼンのストライカーはシュートを打つことができない(30分)。

絶妙のコーナーキックはファーポストで待ち構えていたマルコ・ボーデがヘディング・シュートでゴールマウスへ折り返したが、韓国ディフェンスはドイツのプレッシャーによく耐えてボールをクリア(38分)。

次は、ミラスラフ・クローゼの番。本大会ですでにヘディングで5得点をあげているストライカーが、ペナルティー・エリアの端の位置で体を反転させて右足でシュートを放つが、必死のディフェンスがブロック(41分)。

次々と攻撃を仕掛けるドイツがついに決定的な得点のチャンスを迎える。しかし、熱狂的なレッド・デビル・サポーターの願いが通じたかのように、左サイドのコーナー付近から供給されたボールは3人のドイツ選手から逃げていき、前半が終了(43分)。

後半の立ち上がりにチャンスを作ったのはドイツで、ボーデが惜しいヘディング・シュートを2度逃す。最初は右サイドのクローゼからの難しいクロスで、次は絶好のコーナーキックであったが、どちらのチャンスも、ボーデがうまくボールにミートすることができなかった(49分)。

時間の経過とともに韓国のボール支配も多くなったが、あとわずかで均衡を破るような場面を作りだしたのは、クローゼのヘディングであった(63分)。交替で入った、アン・ジョンファンもペナルティー・エリアの右隅でボールを持つが、シュートはゴールを大きくはずれる(64分)。

観客の声援が絶え間なく続く中、チャンスは両チームに次々と訪れる。ラメローからの見事なチップ・キックのパスに合わせたクローゼのボレーは決定的に見えたが、ボールはゴールの横を通りすぎる(65分)。

韓国の戦士たちが、試合の流れをつかみ始める。韓国の明らかに決定的なチャンスに対して、ドイツは自陣ペナルティー・エリア付近でミヒャエル・バラックがファールを犯す以外に逃れる術はなかった(73分)。このとき出されたイエロー・カードにより、ドイツ中盤の星は次の試合には出場できないことが決定した。 しかし、その直後、ついに均衡を破ってドイツに得点をもたらしたのは、そのバラックであった。素晴らしい動きで右サイドを突破したノイビルがゴール・ラインから折り返しのパス。走り込んできたバラックのシュートは、1度はキーパーにブロックされたが、リバウンドをバラックがゴールに押し込んだ(1:0、75分)。

ボーデのフリーキックでドイツのリードは2点になったと思えたが、本大会を通じて素晴らしい活躍を見せている、イ・ウンジュが左にダイブして、シュートのボールをパンチで外に弾き出す(80分)。

終盤、韓国にもチャンスが訪れる。ペナルティー・エリア内の開いた位置からパク・チソンがボールを受けて、チャンスを作ったが、シュートはゴールをはずれる。最後には、ホームの韓国は疲れ切っているように見えた。赤一色の素晴らしいサポーターに最後の感謝を捧げ、歴史を書き換えた共催国韓国は3位決定戦を残すのみとなった。


2002年06月21日


ドイツ 1-0 アメリカ

ゴール GER 13 ミヒャエル・バラック(39')

ミヒャエル・バラックが唯一の得点を決め、韓国・ウルサンで行われた試合は接戦の末ドイツがアメリカを下した。準決勝でドイツは韓国かスペインのどちらかと、決勝進出を争うことになる。

特に前半、アメリカはボール保持率もチャンスもドイツを上回ったが、3回の優勝を誇るドイツは一度リードを奪ったらそれを明け渡すつもりはなかった。しかし、4年前フランス大会で2-0とドイツの楽勝に終わった同カードと比べれば、アメリカというサッカー新興国が遂げた進歩は目を見張るものがあった。

開始前から沸きに沸く観客を迎えた韓国ウルサンムンススタジアム。試合の序盤、アメリカがスピード豊かに両サイドを突破して、いきなり前半最高のチャンスを得るが、どうしてもラスト・パスがドイツ・ディフェンスを破るまでには至らない。

しかし、アメリカの攻勢は徐々に効果を見せはじめる。ランドン・ドノバンが右サイドを素晴らしい走りで突破し、左足でカーブをかけたシュートを放つが、ドイツのゴールキーパー、オリバー・カーンが素晴らしいセーブを見せ、指先でボールをポストの外に弾き出す(17分)。

さらに、ドノバンがオフサイド・トラップの裏をつき、クラウディオ・レイナのパスに走り込む。サンホセ・アースクエークスの選手は、カーンと1対1の局面で、左足のシュートで狭いほうの角度を狙ったが、ドイツのナンバーワン・キーパーがまたもファイン・セーブ(30分)。

ドイツは、セットプレーで多くのチャンスを作りだす。ミヒャエル・バラックが右サイドからのコーナーキックに合わせて、ヘディングでニアポストを狙うが、正確さに欠け、ゴールならず(35分)。

試合は好守の切り替えの激しい展開となり、アメリカはブライアン・マクブライドが驚異的なスピードで左サイドを抜け出し、またもチャンスを迎える。ゴール前20ヤードの地点でパスを受けた、エディー・ルイスが強烈なシュート。しかし、これもカーンが見事にセーブ(36分)。

アメリカがこれだけ多くのチャンスを逃した後、逆に先制点をあげたのは、ドイツ。右サイドからのフリーキックで、クリスチャン・ツィーゲが蹴ったボールはゴール方向に曲がり、空中戦で頭一つ抜け出したバラックがヘディングで合わせる(1:0、39分)。

アメリカは突如動きが落ちる。ゴール前6ヤードの地点で左からのクロスに合わせた、ミロスラフ・クローゼのヘディングは、うまく叩きつけることができず、ブラッド・フリーデルのはるか上(43分)。

後半の立ち上がり、アメリカの攻撃はさらにスピードを増し、ドノバンが右サイドを突破し、またもカーンを窮地に立たせる。20歳のフォーワードはペナルティー・エリアのなかからシュートを狙ったが、経験豊富なドイツのキャプテンは、シュートをポストの外にブロックした(49分)。

しかし、それに続くコーナーキックでは、さすがのカーンもなす術がなかった。グレッグ・バーハルターがボレーで叩きつけたボールは低い弾道となり、ドイツのキーパーは、ボールをゴールライン上のトルステン・フリンクスのところに押し出すのがやっとであった。アメリカの選手は、ハンドをアピールするより、ボールがゴールラインを割ったと申し立てたが、レフリーは抗議を受け付けなかった(50分)。

その後、さらに見事なプレーが、アメリカ待望の同点チャンスを作りだす。マクブライドとドノバンの巧妙なワン・ツーから、ドノバンがゴールの下部にシュートを放つ。しかし、またも勝負に勝ったのはカーンの方で、ペナルティー・エリアの外からの低いシュートをなんとか処理(55分)。

ドイツは、クローゼが速効から追加点の決定的チャンスを得る。しかし、アンソニー・サネーが素晴らしいタックルで、失点のピンチを防ぐ。アメリカが反撃すると、カーンがペナルティー・エリアから飛び出し、ボールをクリア。しかし、ボールはクラウディオ・レイナの足もとに落ち、ハーフラインのややドイツ側の位置からの見事なボレーは、カーンの頭を越え、ゴールのわずか横に落ちる(64分)。

アメリカがこの試合で初めてリズムをつかみ始めると、ファールが徐々に多くなった。そして、試合の序盤と同じようなパターンで、オリバー・ノイビルが左サイドを抜け出して中央に切れ込み、右足でカーブをかけたシュートを放つが、ボールはアメリカ・ゴールのわずか上(74分)。

ついに、アメリカが総攻撃に出る。残り時間が数秒のとき、右サイドのクリント・マティスのクロスをサネーがヘディングで合わせるが、ボールはサイドネットに吸い込まれる(89分)。

ブルース・アリーナの選手たちは勇敢なプレーを見せたが、強敵カーンをどうしても打ち破ることができず、ドイツの準決勝進出が決定した。


2002年06月22日


スペイン 0-0 韓国(延長、PK戦3:5)

無得点のまま120分が過ぎPK戦に持ち込まれた試合は、3-5で韓国がスペインを打ち下し、韓国全体を恍惚とした大興奮の渦の中にたたきこんだ。決定ゴールを放ったのは韓国の主将ホン・ミョンボ。誰も予想していなかった快進撃をみせた共催国の韓国は、さらなる躍進を遂げソウルで行われる準決勝でドイツと対戦する。

これまでFIFAワールドカップで勝ったことのないアジアの国がここに至るまで実に長い道のりだった。両チームも勇気溢れるパフォーマンスを見せ、勝利をもぎ取ろうと死闘を尽くした。韓国は数少ないチャンスにしか恵まれなかったが、果敢にイエロやナダルのディフェンスに挑んだ。スペインは2ゴールを決めたものの、どちらも審判の判断により無効となり、モリエンテスの決定的なシュートはポストに当たって弾き返された。

落ち着いた立ち上がりから、最初にチャンスらしいチャンスを得たのは、ヨーロッパのチーム。右サイドからのクロスにバラハが体を回転させてオーバーヘッド・キックを試みるが、ボールはゴールの横にはずれる(18分)。

スペインが試合を支配し始め、デペドロが右サイドから強烈なフリーキックを放つが、密集の中、イ・ウンジュがパンチでクリア(24分)。

今度は左サイドから、際どいボールがゴール前に流し込まれ、ペナルティー・スポット付近にいたフェルナンド・モリエンテスがしっかりとヘッディング・シュート。イがポストに激突しながら、素晴らしいセーブでボールをキャッチ(29分)。

赤い猛獣がハイ・ボールを制するようになり、左からのコーナーキックでは、キャプテンのフェルナンド・イエロが韓国ディフェンスより高く飛び上がり、ヘディング・シュートを放つが、ボールはクロスバーの数インチ上(31分)。

赤い色でスタンドを埋め尽くしたレッド・デビルのサポーターの声援にも関わらず、この時点までフース・ヒディンクのチームはスペイン・ゴールに1発のシュートも打てなかった。しかし、右サイドからの深いクロスに対して、ゴール前に進入したアン・ジョンファンが得意技の1つであるヘディング・シュートを試みる(40分)。

右サイドでボールをキープしたホアキンがタッチライン際を突破して、カーブをかけた、ほとんど完ぺきなセンタリング。ファーポストでキーパーのイともつれ合いながら、モリエンテスがスライディング・シュートを試みるが、ボールはわずかにゴールをはずれる(43分)。

前半終了直前にはスペインが次々とチャンスを得る。まず、ホアキンが何人もの選手をかわすが、シュートには至らず。次は、ペナルティー・エリアのやや外にいたデペドロに絶好のボールが渡り決定的なチャンスとなるが、左足の強烈なシュートはゴールのわずかに横(46分)。さらに、最後のプレーで、コーナーキックからイエロがまたもヘディング・シュートを放つが、ボールはバーを越え、ゴールネットの上に落ちる(49分)。

前半を終えたときと同じようなペースで、スペインは後半をスタートした。ホアキンがバレロンにパスを流して、バレロンがモリエンテスにクロス。ゴール・エリア内にいたモリエンテスは、ホセ・アントニオ・カマチョのチームに先制点をプレゼントする絶好のチャンスを得たが、シュートをふかしてしまい、ボールはゴールの外(50分)。

スペインは次々とプレッシャーをかける。またもマーカーを翻弄したホアキンが左足にボールを切り替えてシュートを打つが、威力がなく、イが楽々とセーブ(59分)。

まるで降って湧いたように、この試合最高のチャンスが韓国に訪れる。左サイドを駆け抜けたイ・チュンソからのパスが、ゴール前のアン・ジョンファンに届いたかと思えたが、結局イエロがクリア。それに続くコーナーキックでは、イ・チョンスがシュートしたボールはプジョルにブロックされたものの、こぼれ球がパク・チソンに。ゴール・エリアの端からの強烈なシュートはニアポストに飛んだが、イケルカシャリスが見事な動きで、外に弾き出す(67分)。

ゲームは白熱し、バレロンとホアキンの見事なワン・ツーから、ホアキンが放ったシュートはサイドネットに吸い込まれる。ボールがゴールに入ったと思った一群のスペイン・サポーターから歓声が上がる(72分)。

以降はほとんどチャンスが生まれなくなり、延長戦の可能性が高くなる。スペインのロングスローは、モリエンテスを経てバラハに渡るが、ゴール前8ヤードの絶好の位置からヘディング・シュートもゴールの上(85分)。

90分の試合時間が終わる寸前、イ・チュンソのシュートは、イケルカシャリスがダイブして、辛うじてセーブ。スペイン・サポーターの心臓が凍りついた瞬間であった(91分)。

スペインがボールをゴールに入れる。しかし、またも素晴らしい突破を見せたホアキンのクロスが、ゴールラインを割っていたとの判定(93分)。

闘争心を失わない韓国も、見事に反撃。ゴール前22ヤードから、イ・チョンスがカーブをかけて蹴ったフリーキックは、イケルカシャリスが守るゴールの上を通過(97分)。

スペインが、際どくゴールデン・ゴールに迫る。ホアキンの素早いスローインをペナルティー・エリア内で受けたモリエンテスが、体を回転させ、放ったシュートはファーポストに跳ね返る。交替で入ったガイスカ・メンディエタがこぼれ球を狙うが、シュートはゴールのはるか外(100分)。

今度は、韓国が準決勝進出の絶好のチャンスを迎える。イ・チョンスが左サイドを独走し、ファン・ソンホンに絶妙のクロス。しかし、ゴール前8ヤードからのボレー・シュートはナダルが体でブロック(109分)。

0対0の緊張した試合に、両チームは消耗しきったように見えた。そして、ゲームはペナルティー・キック合戦にもつれ込んだ。

韓国は、最初の4回をファン・ソンホン、パク・チソン、ソル・ギヒョン、アン・ジョンファンが蹴り、いずれも成功。スペインは、最初の3回は、フェルナンド・イエロ、バラハ、シャビが蹴って成功したが、若手のホアキンがイ・ウンジュにセーブされる。最後は、ホン・ミョンボが冷静にゴールを決め、準決勝進出の偉業を共催国にプレゼントし、国中を熱狂に巻き込んだ。


2002年06月15日


ドイツ 1-0 パラグアイ

ゴール GER 7 オリバー・ノイビル(88')

韓国、ソギポ・ジョンジュワールドカップスタジアムで決勝ラウンドの最初の試合が行われ、ほとんど90分に及んだ均衡を破ったのはオリバーノイビルのミラクル・ボレーだった。ドイツが第1号の準々決勝進出を決め、次はメキシコ対アメリカ戦の勝者に当たる。

前半は緊迫した展開で、ドイツの優勢で始まったが、試合が落ち着いたら決定的なチャンスを作ったのはパラグアイの方だった。セルソ・アジャラとホルヘ・カンポスがドイツのゴールキーパ、オリバー・カーンをあわてさせたが得点には至らなかった。後半には両チームが慎重になり、攻撃的なサッカーはほとんど見られなかった。

マッチレポートはこちら 立ち上がりの激しいボールの奪い合いから、まずドイツのミヒャエル・バラックが強烈なシュート。医師から出場許可が下り、完全に復調したバイエルン・ミュンヘンの選手が放ったゴール前25ヤード付近からのシュートは、右足のアウトサイドにミートしたもののボールは高く浮き、ゴールの枠を外れる(13分)。

ドイツは攻勢を続けるが、先制の決定的なチャンスを作ることはできない。マルコ・ボーデに対するカルロス・ボネのまずいファウルから、ゴール前25ヤードの地点でフリーキックのチャンス。これを蹴るのはまたもバラック。しかし、ボールはバーの上を越えてゆく(19分)。

パラグアイの最初のチャンスは、長めのフリーキックから。シュート力の強烈さはすでに本大会で実証済みのフランシスコ・アルセが、力強いパワフルなキックを放ったが、バーの真下でオリバー・カーンはなんとかボールをパンチしてクリア(22分)。

30分を経過したころ、パラグアイに衝撃が走る。若きストライカー、ロケ・サンタクルスが足を痛め、ピッチを去ってしまった。

しかし、その後すぐにパラグアイが奮起し、ゲームの流れをつかみかける。ドイツ陣内で、ゴールキーパーのホセルイス・チラベルトがフリーキックを蹴り、ペナルティー・エリア内にボールを送る。チラベルトのライバル、ドイツのGKカーンがパンチングでクリアすると、ボールはホセ・カルドソに渡り、カルドソのクロスはゴール前完全にフリーであったセルソ・アジャラに。しかし、ゴール前10ヤードからリバープレートのセンター・ハーフが狙ったボレーシュートは、横にそれる(36分)。

前半の終了が近づくにつれ、パラグアイの連続攻撃はますます鋭さを増し、今度はゴールまで20ヤードの地点からカンポスの左足が強烈なシュートを放つ。が、カーンが素晴らしいセーブを見せ、なんとかピンチを凌いだ(38分)。

後半が始まるとすぐに、これまで最高のチャンスがやって来た。右サイドを駆け上がったオリバー・ノイビルがベルント・シュナイダーに完ぺきなセンタリング。ゴール前10ヤードからのシュナイダーのシュートは、チラベルトがファイン・セーブ(47分)。

パラグアイも即座に反撃。交替で入ったカンポスが左サイドのスペースから中央に切り込み、ペナルティー・エリアの端からシュートを放つが、カーンは右下に飛んできたボールに対してまたも素晴らしいセーブを見せる(50分)。

ドイツがボールを圧倒的に支配するが、なかなかチャンスには結びつかない。しかし、ノイビルのループ気味のシュートは、チラベルトが左ポスト方向にダイブして、辛うじてセーブ(62分)。

好調のシュナイダーが素晴らしいドリブルで、初めてパラグアイ・ディフェンスに切り込む。ボールはシュナイダーからフリンクスに渡るが、フリンクスはボールを直接シュートせず、左足で切り込んでからシュート。ボールはゴールの上(68分)。
ほとんど決定的なチャンスに恵まれないゲームとなり、勝負はセットプレーで決着しそうな雰囲気。パラグアイのキーパー、チラベルトにとっては絶好の展開であったが、ゴール前20ヤードの地点から蹴ったフリーキックは、ゴールのやや上に浮いてしまう(74分)。

延長戦にもつれ込むかと思われたとき、シュナイダーが右サイドを駆け抜け、ノイビルに完ぺきなクロス。素晴らしいタイミングでミートしたハーフボレーのシュートがチラベルトの横を抜け、ノイビルにとって今大会初のゴールとなった(1:0、88分)。


2002年06月17日


メキシコ 0-2 アメリカ

ゴール USA 20 ブライアン・マクブライド(8') 21 ランドン・ドノバン(65')

韓国・ジョンジュで行われた試合を終始押し気味に進めたメキシコは、北米の宿敵アメリカに2-0で敗れた。アメリカは冷静な試合運びを展開し、メキシコをカウンター・アタックで苦しめた。後半ランドン・ドノバンのヘディングシュートで追加点を奪って決着をつけたアメリカは、準々決勝でドイツと対戦する。

アメリカはブライアン・マクブライドの早い時間帯の先制点で優勢になり、ゴールキーパーのブラッド・フリーデルの健闘もあって最後までメキシコの攻撃を跳ね返した。これでメキシコは、3回連続してFIFAワールドカップで決勝トーナメント初戦で敗退となった。

前半開始直後、クアウテモク・ブランコの長い距離からのフリーキックが、いきなりアメリカのゴールキーパー、ブラッド・フリーデルに襲いかかる(2分)。試合の序盤、メキシコが攻勢をかける。

しかし、キャプテン、クラウディオ・レイナの素晴らしい右サイドの突破により、先制点を奪ったのはアメリカ。レイナからのうまいクロスにジョシュ・ウォルフがワンタッチのバックパス。スペースに走り込んだセンター・フォワード、ブライアン・マクブライドの強烈なシュートはファーポストの内側に突き刺さる(8分)。

メキシコが再びゲームを支配する。失点後、ラモン・モラレスが見事なボール・コントロールからパワフルなシュートを放つが、キーパーのフリーデルが体を伸ばしてセーブ(16分)。最初の30分、メキシコがボールを支配し、アメリカは防戦一方となった。

またも、メキシコが同点の決定的チャンスを迎える。ゴール前25ヤードからブランコが巧妙なシュートを放つが、フリーデルがなんとかブロック。ブラックバーン・ローバーズのゴールキーパーはリバウンドも奪われ、トリッキーなシュートを許すが、危険を察知したアメリカのバックラインが大きくクリア(26分)。

アメリカのクリアが続いたあと、フリーデルがパンチしたボールは真っすぐブランコの足もとに。しかし、キーパーはシュートを外に弾いて、危機を回避(36分)。

アメリカにも、際どい場面が訪れる。ランドン・ドノバンがはたいたボールは、ゴール前フリーのウォルフに。渾身のシュートは、メキシコのゴールキーパー、オスカル・ペレスがなんとかセーブ(37分)。

後半戦の立ち上がり、ゴールがどうしても欲しいメキシコが、激しく攻め立てる。厳しい角度からのヘスス・アレジャノのシュートは、フリーデルをあわてさせた(48分)。

その数分後、アメリカのペナルティー・ボックスの隅からのブラウリオ・ルナの強烈なフリーキックは、フリーデルが際どく手を差し出し、ボールをクロスバーの外に弾いて、コーナーに逃れる(52分)。

序盤には、攻撃も、ボール支配もすべてメキシコが優位を握る。メキシコは縦横に走り回り、アメリカのディフェンス陣を苦労させる。しかし、メキシコのボール支配にもかかわらず、アメリカもときに鋭く反撃し、ペナルティー・エリアのやや外からクラウディオ・レイナが素晴らしいシュートを放つ(57分)。

ペナルティー・エリアのすぐ外でのファールにより、メキシコが絶好のフリーキックのチャンスを掴む。ルナがキックしたボールは、アメリカ・ゴールのクロスバーのやや上を過ぎたが、メキシコの攻勢は続く。

しかし、試合の流れに反して、アメリカが追加点をあげる。素晴らしい突破力を見せたフルハムのエディー・ルイスからのクロスは、ファーポストに走り込んだドノバンに。若きスターは冷静にヘディングをペレスの横に流し込んだ(0:2、65分)。

数分後には、リードを3点に広げる絶好のチャンスがアメリカに訪れる。ジョン・オブライエンのロケット・シュートはメキシコ・ゴールのクロスバーの数インチ上(69分)。

最後の20分、メキシコは総力をあげて攻撃する。ペナルティー・エリアの外からサルバドル・カルモテのドライブがかかったシュートが、フリーデルに襲いかかる(73分)。しかし、これもゴールにはならず、古くからのライバルが激突した試合であったが、アメリカが隣国を退けた。

2002年06月21日


スペイン 1-1 アイルランド (延長、PK戦 3:2)

ゴール ESP 9 モリエンテス(8')
    IRL 10 ロビー・キーン(90')

これ以上ない劇的な試合の末、スペインはPK戦でアイルランドを下した。スウォンで行われた決勝トーナメント第1戦、スペインは立ち上がりから押し上げて速い時間帯でリードを奪った。しかしロビー・キーンが終了間際にペナルティーキックを決め、試合が延長に突入した。延長戦でも決着がつかなかったためPK戦でスペインが準々決勝進出を勝ち取った。

前半8分、フェルナンド・モリエンテスがヘディングシュートで今大会3得点目を打ち出した。厳しい判定で後半半ばにペナルティーを献上したが、イアン・ハートが蹴ったシュートをレアル・マドリード所属のイケルカシリャスが見事に防いだ。しかし後半終了間際にロビー・キーンがペナルティー・スポットから冷静に放ったシュートには、さすがのイケルカシリャスもお手上げ。延長戦で両チームが決め手を欠き、PK戦でも両チームあわせて蹴ったシュートの半分しか決まらなかった。しかし最後には、ガイスカ・メンディエタがスペインに勝利をもたらした。準々決勝では、スペインが韓国対イタリア戦の勝者に当たる。

試合はスピーディーな展開で始まり、両チームとも厳しい攻撃を仕掛けた。最初のチャンスを迎えたのは、ロビー・キーン。ペナルティー・エリアの外から放った中距離シュートは強烈ではあったが、ファー・ポストの外(3分)。

数分後にはスペインもチャンスを得て、それをものにする。右サイドから、プジョルがフェルナンド・モリエンテスの頭に合わせて完ぺきなクロスを供給。レアル・マドリードのストライカーが放ったヘッディングのボールを、ゴールキーパーのシェイ・ギブンはなす術なく見送るしかなかった(1:0、8分)。

序盤の失点にもめげず、アイルランドが見事な反撃。長い時間ボールを支配し、中盤でスペインの技術を封じる。しかし、スペインも黙ってはいない。我慢の時間を過ごした後、ロングボールでの前線へのフィードとカウンター・アタックを組み合わせた戦術に修正する。まもなく、スペインはさらに危険なチームへと変身した。

アイルランドのディフェンスも、よく組織されたオフサイド・トラップで絶えずスペインをけん制する。前半終了までに、アシスタント・レフリーは合計で7回旗を上げ、スペインのフォワードにオフサイドの判定を下した。

キーンに絶好のチャンスが訪れる。マシュー・ホランドのパスは、ペナルティー・エリアの中央まで走り込んだ、リーズ・ユナイテッドのストライカー、ロビー・キーンに渡る。難しいバウンドに対応して、キーンは素晴らしい体の反転を見せたが、ゴールに背中を向けてのシュートは、クロスバーの上を越えた(43分)。

前半
スペインは、前半とほとんど同じような形で後半を迎えた。ラウルの素晴らしいターンにより、モリエンテスに充分な時間とスペースが生まれる。しかし、ゴール前15メートルの位置から真っすぐキーパーに向かったシュートは、キーパーに弾かれ、危険は回避された(47分)。

その直後、アイルランドが絶好のチャンスを得る。スペインのゴールキーパー、イケルカシリャスがペナルティー・エリア内でハイボールの処理に失敗し、ボールはケビン・キルベーンの足もとに落ちる。しかし、サンダーランドの選手が放ったシュートは、フェルナンド・イエロがクリア(50分)。

欲しくてたまらなかった同点の機会がついにアイルランドに訪れる。ペナルティー・エリア内で、ファンフランがダミアン・ダフにファールを犯したとの判定。しかし、イアン・ハートのペナルティー・キックはキーパーのすぐ右横。キーパーが弾いたボールはゴール前にゆっくり転がり、キルベーンが飛びつく。しかし、スペインのキーパーがまだ倒れており、ゴールは大きく開いているにも関わらず、シュートはゴールを外れる(63分)。

ペナルティー・エリア内でハイボールに競り勝ったラウルのプレーにより、スペインは追加点のチャンスを迎える。ラウルは左足でうまくボールをコントロールしたが、ギブンが前に出てシュート・コースをふさぎ、結局セーブ(72分)。その後、この夜アイルランドでもっとも危険な男、ダフがゴール前20メートルからシュートを放ち、スペインのファンを恐怖に陥れる。しかし、ボールはほんのわずかファー・ポストの外に飛ぶ(80分)。

数分後、キーンがハーフボレーでゴールを狙うが、カシリャスが大きく立ちはだかる。レアル・マドリードのゴールキーパーは、キーンと激突する危険も顧みず、勇敢にも前に出てシュートをブロックする(84分)。

もはやアイルランドにチャンスは残されていないと思えたとき、ニール・クインに対するファールがイエロに宣告され、またもアイルランドにペナルティー・キックの判定。今度はキーンがペナルティー・スポットに進み出て、慎重にシュートを決め、アイルランドを生き返らせた(1:1、90分)。

延長
リードを守り抜こうと、後半、ラウルとモリエンテスを引っ込めたスペイン代表は、ガイスカ・メンディエタを中心に攻撃を組み立てた。メンディエタは延長に入って最初のチャンスをつかみ、ペナルティエリア端からシュートを放つも、ポストの右に外れた(95分)。

しかし、スペインはそれ以外にチャンスはあまり作れなかった。スペインは、アルベルダが負傷退場すると、交代枠が残っていなかったため、10人でのプレーを強いられた。延長前半はアイルランドが終始、プレッシャーをかけ続ける展開となったが、スペインは堅い守備で守りきった。

延長後半に入って早々、キーンがあわやゴールデンゴールかという場面を作ったが、ペナルティエリアわずか外からのボレーシュートはゴール右に外れた(108分)。 続いて、イエロがフリーキックのチャンスを得たが、シュートは壁にはね返された。

その後、バラハとデービッド・コノリーがそれぞれゴール前25メートルの所から惜しいシュートを放つ。バラハのシュートは飛び込んだギブンの好セーブに阻まれ、コノリーのシュートはポストのわずか左に外れた。(112分) その後は両チーム、ゴールに迫れないまま延長の前後半が終了し、非情なPKでの決着に持ち込まれた。

PK戦では、カシリャスが素晴らしい働きを見せた。コノリー、キルベーンのシュートはカシリャスに阻まれ、ホランドのシュートはクロスバーを越えた。アイルランドでゴールネットを揺らしたのはキーンとスティーブ・フィナンだけだった。一方のスペインはフアンカルロス・バレロンとフアンフランが外したものの、イエロ、バラハ、メンディエタのシュートは決まり、スペイン代表を歓喜の渦に包むと共にチームの準々決勝進出が決まった。

2002年06月18日


韓国 2-1 イタリア(延長)

ゴール KOR 9 ソル・ギヒョン(88') 19 アン・ジョンファン(117')
              ITA 21クリスチャン・ビエリ(18')

韓国のアン・ジョンファンが劇的なゴールデンゴールを決め、3回の優勝を誇るイタリアを大会から送り返した。準々決勝でスペインと当たる韓国は、試合序盤にクリスチャン・ビエリのヘディングシュートにより失点を喫し最後まで必死に同点を追い続けた。終了直前にソル・ギヒョンがルーズボールを蹴りこみ試合が延長戦に突入し、アン・ジョンファンが国民的英雄になる舞台が整った。

デジョンワールドカップ競技場を真っ赤に染めたファンの前に、韓国は隣国北朝鮮が1966年に挙げた歴史的な勝利を再現させた。韓国が試合開始早々にペナルティーキックを外し、それからビエリの得点が決まったことによってイタリアが得意とする守備重視の戦い方に専念できた。しかし最後には誰もが予想しなかったドラマが待っていた。

前半
コーナーキックのとき、クリスチャン・パヌッチがソル・ギヒョンを引きずり倒し、開始わずか5分でペナルティー・キックを得るという、韓国にとっては信じられないような立ちあがりだった。しかし、アン・ジョンファンが蹴ったペナルティー・キックは、ジャンルイジ・ブフォンの素晴らしいセーブで、ポストの外に弾き出される(5分)。

立ち上がりの衝撃がイタリアの闘志に火をつける。ボールを支配し、フランチェスコ・トッティとアレッサンドロ・デルピエロが危険な動きを見せ、結局先制したのは、イタリアだった。トッティのコーナーキックに対して、ゴール前競り勝ったクリスチャン・ビエリがヘッディングをニア・ポストに叩き込む。ビエリにとっては、イタリア代表の記録に並ぶワールドカップ通算9点目のゴールであるとともに、本大会4点目のゴールであった(0:1、18分)。

ゴール後、即座に反応したのは韓国ではなく、イタリアのほうだった。1点をリードしたイタリアは、カテナチオ・スタイルでじっくり構える作戦に切り替え、韓国の攻撃を待つ。

イタリアの作戦は功を奏したように見えたが、アンに唯一のチャンスが訪れる。ペナルティー・エリアのやや右に走り込み、パク・チソンからのパスを受けてファー・ポストを狙って打ったシュートは、ゴールの角をわずかに外れる(36分)。

数分後には、トッティとダミアノ・トンマージというローマ・コンビの見事な連携により、イタリアに追加点の絶好のチャンスが訪れる。背番号10からの粋なパスに走り込んだミッドフィールダーは、ゴールキーパーと1対1となったが、イ・ウンジェが体でシュートをブロック(38分)。

ハーフタイム直前、イタリアのペルージャ在籍の韓国選手、アンに同点に追いつくチャンスが2度訪れる。まず、ゴール前25ヤード付近からのフリーキックは、壁に当たってコースがかわりゴールの横(45分)。さらに、大歓声を受けながら、鋭いミドルシュートを放ったが、ブフォンがセーブ(46分)。

後半
後半はイタリアが守備を固め、ひたすら韓国の攻撃を誘うという変則的な立ち上がりとなった。

イタリアの堅実な守備をものともせず、韓国はペナルティー・エリアのすぐ外の位置で何本もフリーキックを得るが、チャンスを生かせない。

観客の叫びが増大するなか、ディフェンスから絶好のボールがビエリに届く。決定的なチャンスであったが、インテルのストライカーは右足のシュートを噴かしてしまい、ボールはゴールをそれる(74分)。

またも、ビエリが決定的なチャンスを作り出す。韓国ディフェンスからボールを奪い、ゴールに突進するが、左足のシュートはタックルしたディフェンスの足に当たり、ゴールネットの上に落下(77分)。

イタリアがさらに多くのチャンスを作るようになり、トッティの素晴らしいドリブルにより追加点のチャンスを迎える。90年イタリア大会のチェコスロバキア戦におけるロベルト・バッジオを彷彿とさせるように、トッティはハーフライン辺りからディフェンスを何人もかわして内側に入り込む。しかし、シュートコースが開いたときにディフェンダーをもう1人かわそうとしたため、チャンスがついえる(79分)。

後半に入り韓国はほとんどチャンスをものにすることができず、ジョバンニ・トラパットーニの作戦が成功したかと思われたが、残り2分で、韓国が奇跡的に同点に追いつく。ペナルティー・エリア内でパヌッチがクリアミスしたボールに対して、ソルが打った低い弾道のシュートはゴールの隅に突き刺さり、観客は熱狂した(88分)。 熱狂に包まれた終了間際、イタリアが攻め上がり、トンマージが完ぺきなセンタリングを送るが、ゴール前6ヤードの至近距離からビエリが放ったシュートは高々と浮き上がってしまう(89分)。それ以降も、韓国に勝ち越しのチャンスが訪れる。交替で入ったチャ・ドゥリのオーバーヘッド・キックはブフォンの正面に飛び(90分)、パクのシュートはサイドネットに吸い込まれた(91分)。

延長戦
終了間際のゴールで勇気づけられた韓国は、延長前半の立ち上がりはさらに迫力を増し、次々とコーナーキックを奪う。一方のイタリアは、ハーフラインを越えて攻撃することができない。

ファン・ソンホンが、アズーリの壁がジャンプしたとき、足の下を通す頭脳的なフリーキック。しかし、ブフォンが左に飛んで奇跡的なセーブを見せ、ボールをポストの外に出して、ゴールデン・ゴールを防ぐ(102分)。

イタリアが延長で初めて韓国サイドに入ったとき、勝負を決定するような判定が下された。ペナルティー・エリア内でトッティがディフェンスともつれて転倒。赤い悪魔の心臓が凍りついたが、ペナルティー・キックを宣告する代わりに、レフリーはローマの選手に駆け寄り、まずこの試合2枚目のイエロー・カードを、それからレッド・カードを出した(103分)。

ファン・ソンホンが韓国を勝利させる黄金のチャンスを得る。しかし、左からのクロスにまったくフリーで合わせたヘディング・シュートはブフォンが処理(111分)。

一度はヒーローとなったソルギヒョンだが、自陣のペナルティー・エリアでまさかのヒールパスを試みたときには、もう少しで敵役になるところであった。ボールはジェンナロ・ガットゥーゾにお誂え向きの位置に転がったが、ブラインド・ポジションだったにも関わらず、リ・ウンジェが素晴らしいセーブを見せる(113分)。

そしてついに、歴史に残るゴールデン・ゴールが訪れる。アメリカ戦のときと同じように、深いクロスのボールをアンがゴールに流し込む―アンは112分前にペナルティー・キックを外した選手でもある(117分)。
信じられないような復活劇であった!!!